はぁ~、あっついなぁ~。暑いの苦手なんだよね。
気候の二極化が進んでいるからなのか、自分が年取ったからなのか、年々気温の変化に順応しにくくなってるな。すごしやすい時期がどんどん少なくなって、年中 “あっつい” か “さぶっ”と言ってる気がする。昔は春が好きで、大人になってからは秋が好きになったのだけど、桜や紅葉など視覚から季節を感じているだけのような…。
TVではもうかき氷のお店を紹介しているが、まだそこまでの気分じゃない。
(というか元々あまり食べないんだが)
それならば目で涼もうではないか、と何を観ようか考えてみて『アナ雪』もいいけど、雪と氷の世界で思い出したのは、『太陽の王子 ホルスの大冒険』である。
太陽の王子 ホルスの大冒険
1968年公開の東映動画(現 東映アニメーション)初期の長編まんが映画。(当時はアニメとは言わず、テレビまんが・まんが映画と言ったのです)
スタッフには高畑勲・宮崎駿・大塚康生といった、そうそうたるメンバーが名を連ねており、後の『未来少年コナン』や『天空の城ラピュタ』に通ずる「謎を秘めた少女を少年が解放する物語」です。
今では日本のアニメ映画史に名を残す名作という評価ですが、公開当初は流行らなかったらしい。
最初は評価されず、後に絶賛されるというのはよくある話。
50年近く前の作品でありながら、映像のダイナミックさに感動します。
その一方で、制作のスケジュールや予算の厳しさから描ききれていない部分も目立ち、作品全体としては酷評する人がいるのも事実です。
太陽の王子 ホルスの大冒険(予告編)
主人公ホルスが父を亡くした後、帆かけ舟で旅立つところは「コナン」を思い起こさせ、怪魚と闘うシーンもまた然り。でもコナンのような痛快なキャラではなく、ヒーローとしては何かひとつ足りない感じが残念。ヒロインのヒルダもちょっと卑屈で、氷の悪魔と人間の狭間で悩めるキャラなので、作品が暗くなりがちで、後の宮崎アニメの楽しさは無いですね。
なので当時の子供向けの東映まんがまつりの映画としてはイマイチだったのは想像できます。
でも私の子供の頃にはTVで何度も放送してたし、夏休みの野外映画会で上映されてましたっけ。
ヒルダの美しさには魅了されました。ただ声の市原悦子の姿を知ってしまった今は、どうしても雑念がちらつきますねぇ。大人になって、純粋な気持ちで観る努力が必要になってしまいました。
長編とはいえ当時のまんが映画は80分程しかなく、あっという間に終わってしまいますが、名立たる巨匠たちの若かりし頃の有り余るエネルギーが注ぎ込まれた傑作であることは、後の評価が証明しているのです!
……いけね、涼むつもりが熱くなってしまったぜ。