ジブリ映画は好きです。でも初期作品の方が思い入れが強くて、やはり子供時分に観たものと大人になってから観たものの違いもあるのでしょうが『もののけ姫』以降は正直惰性で観ています。
映画館で観たものは半分もありません。
宮崎駿の引退作ということで「観なければ」と思いながらも、映画館へ行くのが面倒で結局観ずじまいだったんです。TVでみればいいか、と。
宮崎駿の飛行機好きの夢と浪漫の詰まった作品ですが、こんなに静かな…ひそやかな、慎ましやかな映画とは思いませんでした。キレイないい映画でした。
意外にもホームズとポアロが
二郎の夢の中のシーンは『耳をすませば』っぽいですね。
夢の中に出てくる小柄なヒゲ紳士カプローニが野村萬斎!
しまった! ポアロ…じゃなかった勝呂(すぐろ)より前に観ておけばよかった!
カプローニばかり気になってしまう。……失敗、失敗。
『耳をすませば』の空想シーンに出てくる猫紳士の声は海外ドラマのホームズを吹き替えた露口茂。
『風立ちぬ』の夢のシーンのヒゲ紳士はポアロの日本版を演じた野村萬斎。
これは偶然か。
そして二郎のセリフを聞いて私は驚愕するのです!
「あなたはシャーロック・ホームズですか?」
同じホテルに泊まるドイツ人に素性を言い当てられた二郎がこう言うのです。
そういえば二郎はホームズの鹿討帽っぽいのをかぶってました。
耳当て部を上にあげて頭頂部で結びとめたアレです。
こんな見所があったとは。もっと早く観ておけば良かった。……失敗、失敗。
ジブリ映画を観てこんなところに引っ掛かってるのは私ぐらいですかね?
意外にも眼鏡がスゴイ
眼鏡の描写がスゴいんです。レンズを通して見える顔の輪郭がちゃんとゆがんでいるんです。ド近眼の人にしか分からないと思いますが。それにレンズを通った光が頬を照らしていたり、描写が細かい。ここまで描いているアニメは見た事ありません。
意外にもタバコ吸いまくり
登場人物がなにかというとタバコ、タバコと吸いまくる。
禁煙、分煙の現代から見ると異常に見えるが、昔はどこででも吸ってた普通の光景だったんだよな。
批判もあったみたいだけど、映像の中でどんだけ吸おうが気にしないけどな。それが普通の時代だったんだし。ホームズもパイプふかしまくりで部屋に煙充満させてたし。
病床の妻の横で吸うのも、観るまではそんな非常識な事してるのかと思ったが、離れて吸おうとした二郎に菜穂子が手をつないだままでいいと言ったんだし。二人でいられる時間が少ないのを覚悟の上で一緒にいるんだから、そこはいいじゃないですか、批判しなくても、と思う。
意外にもキスしまくり
意外にもキスシーン多くてビックリです。ちょっと照れちゃいます。ジブリなのに。
年齢設定は何歳なんでしょう。エリート技師だから見た目以上に結構大人だったんでしょう。タバコ吸ってるし。絵柄にだまされてしまいますが大人の映画ですね。
日本が戦争に突き進んでいく時代のことを少しでも知っていないと、子供には難解な映画ですね。
今回は妙なところに注目してしまったので、もう一度改めてじっくり観たいですね。
何度も観ていろいろ考えたい映画でした。