ここ数日の間にクラリネットについて書かれたブログを立て続けに目にした。
元クラリネット奏者である私は、なんだかそわそわウズウズしてしまった。
なんだ? 最近「クラリネットの日」とかでもあったのか?
近頃は何にでも記念日があるからなー。
…と思ったがそんな日は無かった。な~んだ、ただの偶然かぁ。ちょっと残念。
ところで、ふと疑問に思ったんだけど。
いま「元クラリネット奏者」という表現をしたけれど、楽器の演奏者を表す言葉って楽器それぞれにあるよね。ピアニストとかギタリストとか。
クラリネット奏者って何て言うんだっけ。
あれ? 何だっけ? 現役当時も疑問に思ったはずだけど忘れちゃった。
なにしろ30年以上も前のこと。当時は調べようにも図書館で探すくらいしか出来なかっただろうから、うやむやにしてしまったのかな。
今ならネットで簡単に調べものができるから、ちょっと検証みようかね。
楽器演奏者の英語表現
ピアノ piano → ピアニスト pianist
ギター guiter → ギタリスト guitarist
バイオリン violin → バイオリニスト violinist
チェロ cello → チェリスト cellist
…………
トランペット trumpet→ トランぺッター trumpeter
ひらめいた! 同じ管楽器のクラリネットだったらクラリネッターだろ?
クラリネットclarinet → クラリネッティスト clarinetist
クラリネッティスト! 言いにくいわ!
こりゃ忘れるわ。でもなんで ist と言ったり er と言ったりするんだろ。
他の管楽器だと…
フルート flute → フルーティスト flutist
ホルン horn → ホルニスト hornist
トロンボーン trombone → トロンボーニスト trombonist
チューバ tuba → チュービスト tubist
チューバーじゃないんだ。
でも聞いたことないなぁ。
では弦楽器と管楽器の違いじゃなかったら何だ?
打楽器ならどうなる?
パーカッション percussion → パーカッショニスト percussionist
(パーカッションとは打楽器全般を指す)
ティンパニ timpani → ティンパニスト timpanist
ドラム drum → ドラマー drummer
ドラマー! やっと er が出てきたよ。
トランぺッターとかドラマーとか、カッコいいなー!
トランぺッターになりたいとかドラマーになりたいとかは言うけど、クラリネッティストになりたいとか聞いたことないなぁ。
私が中高生時代に入っていた吹奏楽部は、コンクールで金賞なんて夢のまた夢ってくらいの弱小へっぽこバンドだったから、部活動としては真面目に一所懸命やってたけど、誰か目標にするプレイヤーがいた訳でもなく、ただ楽しくのんきに吹いてただけだからなぁ。北村英治になりたい訳じゃなかったし。
ist と er
で、なんでトランペットとドラムの演奏者だけ er を使うのか。
それは trumpet と drum が動詞でもあるから……。
なに???
trumpet には「ラッパを吹く」、drum には「太鼓をたたく」という動詞の意味もあるそうだ。
へー、まったく知らなかった。
だから play「演奏する」が player「演奏する人」となるのと同じように er が付くのだ。名詞には ist を付ける。
じゃあなんでトランペットとドラムには名詞だけでなく動詞もあるの?
これはその楽器が生まれた年代が古いからなのかな、と思うのは私の推測でしかないのだが。英語はからっきしダメなんだよね。
ちなみに、楽器名+player と表現することも出来る。
サックス(サクソフォーン)は saxophonist とも言うらしいが、saxophone player と言う方が多い気がする。サックスが19世紀生まれの新しい楽器だからなのかなーと思ったり。
だから中世から演奏されてきた弦楽器とは扱いが違うのかな?
ラッパや太鼓は古代からあるし。
楽器の成り立ちを知るのも面白いな。